老朽化マンションの建て替えが無理な理由と“未来の解体・更地売却”という新しい解決策
老朽化したマンションや団地は、建て替えしかない——
誰もが「建て替えが難しい」と感じつつも、長年、これに代わる現実的な解決策がなかったというのが本音でしょう。
「建て替えは資金面・合意形成どちらも厳しいが、他に出口がない」という状況は老朽化が進むにつれて、日に日に深刻化しています
だからこそ、今回、自分なりに考えた新しい提案をお伝えしたいと思います。
1. まず現実を整理:「建て替えは、無理」な時代
「いずれ建て替えよう」と考えている管理組合は全国にたくさんあります。
ですが、実際には次の壁に必ずぶつかります。
- 5分の4以上の同意(80%以上)を取るのが非常に難しい
- 1戸あたり約3,500万円(解体費+建て替え費の合算試算例)の資金負担
- 高齢・資金不足・ローン不可など、経済的な理由から反対する人が必ずいる
これは、「住民の怠慢」ではなく、“物理的に不可能な選択肢”になってきているのです。
2. 今こそ、建て替え以外の道を示したい
私はこの課題を考える中で、
“未来の解体・更地売却”という別の選択肢を考えました。
「今すぐ」ではなく、20年後や30年後に解体を実行するという計画です。
ここで大事なのは、各マンションごとに解体の時期は自由に決められるという柔軟さです。
3. 提案のポイント:未来の解体を今合意する
▼具体的な流れ
- 「〇〇年後に解体・更地売却する」と管理組合で合意(規約化)
- 今後の修繕積立金を「解体積立金」に切り替え、計画的に解体費用を積立
- 解体後は、管理組合法人が団地全体を更地で一括売却
- 売却益を各区分所有者に、持分に応じて公平に分配
「今は住み続けられる安心」と「未来に財産を守る仕組み」を両立できます。
4. なぜ「未来の解体」なら決まるのか?
「建て替え」の話は進まないのに、
「20年後」「30年後」の話なら合意が取りやすい。
その理由は明確です。
- 「20~30年後ならやむを得ない」と考える人が多い
- リフォーム済みの人も「その頃には十分使い切れる」と納得しやすい
- 相続や高齢化により、次世代が所有者になる時期を見越せる
未来の話なら資産管理の一環として冷静に受け入れやすいのです。
5. 立ち退きトラブルも未然に防ぐ
「解体時に1人が退去しない」
「条件でもめる」という問題は、全国の老朽化マンションで頻発しています。
しかし、事前に「〇〇年後に解体」と決まっていれば、ルールが明確になり、積み立てた解体費分の売却益増加により、トラブルを回避しやすいのです。
6. 資産価値を守る「更地売却」の強み
また、建物付きのままでは売れない物件でも、更地で一括売却すれば土地価格を最大化できるのがこのスキームの大きな魅力です。
これは土地区画整理で用いられる「集約・清算」の考え方を、マンションの管理組合で応用したものです。
- 法人が一括して売却する
- 分配ルールは持分割合に基づいて公平に精算
“売りにくい老朽建物”が“価値ある土地”に生まれ変わるのです。
7. マンションは法律が難しいからこそ
多くの所有者が、
「何となく建て替えの話は進まない」
「でも他に方法がない」
と考えてしまうのは、区分所有法や民法など複雑な法律が絡んでいるからです。
しかし、だからこそ、新しい選択肢が意味を持つと考えています。
8. 具体的に動き出すなら
このスキームを進めるには、
まずは管理組合の理事会・総会などで「議題」として正式に取り上げることがスタート地点です。
また、マンションによっては自治体との連携も有効です。
合意が形成されれば、弁護士・マンション管理士などの専門家とともに、具体化を進めていきます。
まとめ
これは今、未来を決めておく話です。
建て替えも、放置もできなかった多くのマンションにとって、
現実的な新しい選択肢だと私は考えています。